*これまでの活動等の報告*

2023年 秋からの活動等の報告

 

施設・環境の保全と整備 

◆雨岳文庫周辺の環境整備(雨岳文庫クラブ)→雨岳文庫クラブ

雨岳文庫クラブは、雨岳文庫の来館者だけでなく、大山など伊勢原にお越しの観光客の皆様が気持ちよく見学や観光していただけるよう、年間を通して、山口家住宅や大山二の鳥居周りの草取りや花植えなどの環境整備活動を行うなど、縁の下の力持ち的な重要な存在です。

◆山口家住宅の彩り

雨岳文庫友の会の方々が、丹精込めて育てたお花や観葉植物などで、国登録有形文化財山口家住宅に彩りを添えてくださっています。→231115 玄関に菊の花

◆山口家住宅の清掃など→雨岳ガイドの会

友の会有志の方々が、「総点検」と称して、山口家住宅の欅の大黒柱を糠袋で磨いたり各部屋の掃除、また、ひな人形や鯉のぼりの展示などを行ってくださっています。→231211 12月の総点検活動報告です。

 調査研究・研修や学習 

◆山口家文書等の整理作業

当財団の最も重要な事業は所蔵資料の適切な整理・保存およびその活用です。

野﨑理事長の資料との関わりは1980(昭和55)年に遡り、2010(平成22)年からは、神奈川県史編さんで使われた資料のほか、未整理資料の目録化に取り組まれています。

この度、その整理作業の進捗状況や今後の課題について報告いただきました。

所蔵史料の目録編集作業、文書・記録の仕分け作業を行ってくださっている、野﨑理事長(左)と伊藤さん(右)

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所蔵史料(近代の部)の整理の現状

すでに雨岳文庫所蔵史料(文書・記録・印刷物)が目録編集された後に、新たに所蔵が確認された史料については、逐次、目録編集作業を進めています。現在、補遺としての書簡目録の仮編集を終え、文書・記録の仕分け作業に入っています。

作業は、新たに出てきました史料の封筒入れ、封筒上書き作業に加えて、虫喰い史料の補修および破損史料の裏打ち作業のために、余計な時間を要しております。今後、虫喰い史料および破損史料の補修・裏打ち作業を継続すべきか課題のひとつになっております。

さらに、市史編さん目録と該当史料を照合したところ、一括史料扱いになっている史料群中に表題と異なる史料が混在していることが判明しました。そのため、一史料一表題を原則に見直し作業を行っています。この作業は、いまだ完了しておりません。このように、付随的・補足的な作業により、新規の史料目録の編集作業が進められている現状です。

現在、閲覧利用できる目録は、伊勢原市史目録の一部(「伊勢原市編さん室採録目録」「旗本間部領地代官」)、神奈川工科大学北湘近代史研究会編さん目録(「神奈川工科大学研究報告 A-3」「神奈川工科大学研究報告A-7」)、神奈川県立公文書館採録目録(「旗本間部関係文書」「農林水産政策研究所返還文書」)が、データベース目録として閲覧および一部画像による文書・記録の閲覧ができます。

また、山口家所蔵史料の内、写真については「写真目録」、地図については「地図目録」の、それぞれ仮目録の編集が終わっています。残る作業として、伊勢原市・神奈川工科大学・神奈川県立公文書館の目録を統合した分類目録の編集、冊子体印刷物の分類目録の編集が望まれます。(文書・記録整理担当 野﨑 昭雄)

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)→雨岳ガイドの会

「金目観音とその周辺」9/16(土)

一般参加者22人、スタッフ12人、計34人のウォークでした。諏訪間氏(当財団学芸員)から、暴れ川・金目川の変遷、金目の自由民権と民権トリオ、金目観音の見所などの話を聞いてから、大堤(御所様堤)、自由民権ゆかりの宗信寺・寂静寺や平塚市随一の文化財の宝庫・金目観音などを巡りました。

「愛甲石田から下糟屋」10/21(土)

一般参加者27人、スタッフ13人、計40人で、全長80㍍を超える前方後円墳・車塚古墳、家康ゆかりの子安神社、石田為久ゆかりの圓光院などを巡りました。出発前には、恒例になった、諏訪間氏からの話を聴きました。今回は、諏訪間氏のこれまでの豊富な発掘調査経験などを踏まえた、『愛甲台地の遺跡群』についてのお話でした。→231030 「愛甲石田から下糟屋」ウォークを行いました。

「子易明神~三の鳥居」12/16(土)

一般参加者34人、スタッフ12人、計46人のウォークでした。今回は、市教育委員会の葉山氏から「子易地区の遺跡」の「遺跡の概要」(調査期間・面積・構成・各時代の主な出土品)と「中世の屋敷・寺院跡」について、案内スタッフも初めて聞くような話も伺いました。→231217 「子易から三の鳥居」ウォークを行いました

◆湘南社民権講座   (雨岳民権の会)→雨岳民権の会

10/9(月・祝日)、第9回湘南社民権講座を開催し、元文部科学事務次官の前川喜平氏から『憲法と私たちの暮らし』をテーマに講演をいただきました。雨にも関わらず会場は募集人員を超える100名の聴衆で溢れ、大変熱気に満ちた講座となりました。→231011 「湘南社」民権講座のご紹介

◆古文書講読会

川島敏郎氏(当財団評議員)を講師として、毎月第二金曜日に古文書講読会(幹事:鳥海正彦氏)を行い、毎回十数人の参加者が楽しく古文書を読んでいます。11月からは、鶴間村の役用日記帳(安政四年)を読み進めています。

 

雨岳文庫の施設や環境の利用 

◆スヌーズレン(NPO法人アートキャラバン)

10/19(木)、旧喜三郎邸離れを雨戸で閉めきった幻想的な空間の中で、スヌーズレン紙芝居サービスが上演されました。スヌーズレンとは、北欧で始まった、光・音・香りなどにより感覚へ刺激を与える多重感覚環境設定で、心の休養や認知症の改善を図ることを目的としています。→231019 ブラックライトシアターのご紹介

◆アートを楽しむ一日(山口家を盛り上げる会)

10/28(土)、「古民家であなたも うっかりアーティスト」に約120人の人が集い、秋の一日を楽しまれました。→231029 古民家であなたもうっかりアーティスト!

◆国登録有形文化財特別公開(伊勢原市教育委員会)

11/3(土)、伊勢原市教育委員会主催の「国登録有形文化財特別公開」が行われました。今回は山口家住宅の公開・案内のほか、周辺の寺社などの史跡を巡る「文化財ウオーク」も計画し、住宅見学の後にウォークに参加してくださった方もいらっしゃいました。→231105 文化の日の山口家住宅です。

 

◆着物撮影会   (フォトユニット風花)

旧喜三郎邸離れは着付け、竹林周辺や主屋2階の座敷などは写真撮影にも使われています。→231002 着物撮影会の紹介です。

◆陀楽陀楽茶会    (陀楽陀楽茶会)

11/23(木・祝日)、旧喜三郎邸離れで陀楽陀楽茶会(だらだら茶会)が開催かれました。島根在住の主催者のもとに、10名程のお茶の愛好者が各地から集まり、皆様が種々用意されたお茶とともにおしゃべりを楽しみながら「ゆるり」とした時間を過ごすというものです。この時代、とても贅沢な時間を持たれているように思えます。→231126 山口家住宅での陀楽陀楽茶会の紹介です

◆子どもたちの学習の場・居場所

★11/10(金)「小学校校外学習」(伊勢原市立比々多小学校)→231112 比々多小学校の子供たちがイモ掘りをしました

 

★11/11(土)「焼き芋体験会」(伊勢原FCフォレスト)→231112 伊勢原FCフォレストの皆さんの焼き芋体験です

◆西富岡の畑で野良仕事(雨岳自然の会) →雨岳自然の会

毎週、伊勢原内外から、環境に関心がある方が集まり、楽しく農作業に汗を流しています。1/20(土)の13時〜、伊勢原シティプラザで、「有機農業と有機農産物」をテーマに学習会を行う予定です。

◆落語独演会   (厚木たけ平の会)

12/23(土)、林家たけ平師匠の独演会が行われました。この日の演目は、約70分におよぶ人情噺、「文七元結(ぶんしちもっとい)」でした。師匠の、可笑しさと人情味をおりまぜた歯切れのよい語りに魅了された70分間でした。熱演後には師匠の音頭で手締めを行いました。→231223 林家たけ平師匠の落語独演会が開催されました

 

 

2023年 春から夏の活動等の報告

施設・環境の保全と整備

◆「宮様のお部屋」の修繕工事完了 →230703 山口家住宅離れの貼付け壁の修復が完了
前号でお知らせしました、「宮様のお部屋」の修繕と主屋および附属建物の屋根の塗装が終了しました。 →230703 山口家住宅の屋根が塗り替えられました。
「宮様のお部屋」は、明治後年、陸軍の演習場に来臨される宮様方をお迎えするために急遽増築された、主屋の離れです。数寄屋風の造作で、床柱は中間が切り取られた花梨の自然木。そのほか、桜、棕櫚、孟宗竹などが効果的に使われ、壁は柔らかい雰囲気を醸し出す「貼付け壁」であり、茶室の趣があります。
今回の工事では、まず、宮大工の内田工務店により、建物の土台や造作の修繕と獣の進入路の遮断を行い、その後、葉山の守谷表具店により貼付け壁の修繕を行いました。また、先延ばしになっていた、主屋の大屋根などの塗装も小田原の職人さんの手により無事に終了しました。
山口家住宅の見どころは、使用されている貴重な材や凝った造作ですが、今後も永く保存していくためには、資金面とともに、材の調達や高い技能を有する職人さんの確保などが大きな課題となります。

◆掲示板のリニューアル (雨岳文庫クラブ) →230617 資料館前の掲示板をリニューアルしました。
資料館前の掲示板がリニューアルされました。掲示板では、写真によって雨岳文庫の日頃の活動の様子がわかるようになっています。この度、コロナ前の写真を新しいものに入れ替え、最近の様子が分かるようになりました。お立ち寄りの際には、こちらも是非ご覧になってください。

◆二の鳥居周りの花植え(雨岳文庫クラブ) →230604 二の鳥居まわりに花植え
山口家住宅の来訪者や大山への観光客の皆様が気持ちよく見学したり活動出来たりするように、環境整備をしています。大山の二の鳥居周りに春に植えた、伊勢原市から頂いた夏の花の苗が、猛暑の中でも元気に育ち、立派に咲いています。

調査研究・研修や学習

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会) →230622 雨岳ガイドの会の恒例のウォークの紹介です。
「池端から下糟屋」6/17(土)一般参加者 28 人、スタッフ 13 人、計 41人のウォークでした。出発にあたって、諏訪間氏(当財団学芸員)から『何故!伊勢原の禅僧が蝦夷地に』を聞いてから出発しました。国泰寺にまつわる貴重な史料が残る蔵福寺や普済寺のほか高部屋神社などをめぐり、有意義なウォークとなりました。

◆「自由民権資料展」開催中!(雨岳民権の会) →230819 雨岳民権の会主催の資料展が開始されました。
8/19(土)からの毎週土・日に、第 5 回湘南社自由民権資料展『この地から海を渡った明治の民権派青年たち』が開催されています。自由民権運動が下火になってきた明治の一時期に、伊勢原などからアメリカ本土やハワイに渡った若者たちの思いを想像しながら、彼らの波乱に満ちた人生の一端を、今回の展示から知っていただけたら幸いです。

雨岳文庫の施設や環境の利用

◆せんみ凧づくり →230503 せんみ凧つくりと凧揚げが行われました
5/3(水・祝)、“玉川せんみ凧保存会”の皆様のご指導により、「せんみ凧を作って揚げよう!」を行いました。今年も好天に恵まれ、さらに程よい風も吹いており、15匹のせんみ凧が元気に青空に舞いました。また、せんみ凧が乾くまでの間には、山口家住宅主屋で“おはなしばる~ん”の皆様による、「おはなし会」と「ゲーム」で楽しむことができました。

◆江戸時代からの自園茶園でお茶摘み →230504 雨岳文庫恒例のお茶摘み
5/4(木・祝)、雨岳文庫の江戸時代から続く歴史ある自園茶のお茶摘みを行いました。ベテランと一緒に、雨岳文庫友の会の会員の人たちも頑張って、95.6kg を摘みました。結果として、17.2kg の新茶が製茶でき、後日、参加者に全員に分けることができました。

◆アートな一日!(山口家を盛り上げる会) →230505 こどもの日の雨岳文庫の賑わいです
5/5(金・祝)、天候にも恵まれ、「古民家であなたも うっかりアーティスト」に 200 人弱の人が集いました。ART 展示のほか、キッズダンスやシーグラス・陶芸などのワークショップ、飲食ブースも賑わいました。また、資料館では“勾玉の会”による「勾玉づくり」を同時に開催しました。

◆西富岡の畑で野良仕事 (雨岳自然の会) →230826 西富岡の畑で野良仕事 他
この夏の猛暑にも負けず、畑の耕作を通して収穫の喜びや仲間との交流とともに、自然環境を大切にする活動を行っています。
伊勢原では猛暑と少雨の影響が様々な作物の生育に出ています。「地球沸騰化」とも言われる地球規模の自然環境について、未来の人たちのために、真剣に考えるべきではないでしょうか。

◆相模人形芝居と薩摩琵琶 (古典芸能を守る会) →230605 歴史ある建物で歴史ある文化が演じられました。
5/27(土)、国指定重要無形民俗文化財の相模人形芝居“林座”の公演が行われました。演目は、「傾城阿波の鳴門 巡礼の段」でしたが、3人の人形遣いにより、まるで魂を吹き込まれたように生き生きと動く人形の演ずる世界に観客たちは引き込まれました。また、錦心流琵琶一水会会主の田中井琇水氏の薩摩琵琶演奏も行われました。公演後には、人形に直接触れ、琵琶のお話が聞けるなど、大変貴重な体験ができました。

◆青空おはなし会 (おはなしばる~ん) →230528 5/27の青空おはなし会のご紹介です。
5/27(土)、五月晴れの梅林にゴザを広げて、“おはなしばる~ん”による「青空おはなし会」が開催されました。風の声、葉っぱの声、鳥の声も一緒に和やかな笑顔があふれました。

◆小さな朗読会 (手毬会) →230602 「小さな朗読会」のご紹介です。
5/31(水)、旧喜三郎邸では「手毬会 小さな朗読会」が開催されました。プログラムは、新美南吉と宮沢賢治の大人のための童話でした。

◆落語独演会 (古典芸能を守る会・厚木たけ平の会) →230902 山口家住宅では恒例の落語会が開かれました。
8/26(土)、雨岳文庫恒例のイベントとなった林家たけ平師匠の独演会が行われました。猛暑と雷雨という不安定な天気でしたが、お客様は楽しいひと時に満足されたようです。

2023年 からの活動等の報告

 

施設・環境の保全と整備 

◆「宮様のお部屋」の修繕工事

昨年度に計画していた「宮様のお部屋」の修繕が始まりました。「山口家住宅リフレッシュ計画」第3弾として、守谷表具店に内装の修繕を行っていただく予定でしたが、建物の土台や造作の工事が必要なことが判明したため、先にこの工事を行い、続いて内装工事に入ります。→230411 山口家住宅から修復工事のお知らせです

工事が今年度にずれたのは、次ページの記事にある「民権散歩」で訪れた、国登録有形文化財「三嘴家住宅」の解体が急遽行われることになり、宮様のお部屋の工事をお願いした内田工務店がその解体を行うことになったためです。

登録有形文化財の保存には多額な資金が必要ですが、公的な資金援助がないために、やむを得ず解体に至るケースもあります。

このことは雨岳文庫にとっても大きな課題ですが、皆様のボランティア活動とご寄附に支えられながら、国登録有形文化財「山口家住宅」や周辺の自然を守るとともに、その活用に努めたいと思います。

◆垣根作りの実習   (雨岳自然の会)

4/1(土)、敷地まわりにある建仁寺垣を作り直しました。今回の作業は8年前に友の会会員の瀬戸さんのご指導で作った垣根の修復で、田部井さん(当財団事務局)が先生となって行いました。

「男結び」に苦労しながらも、半日かけて立派な建仁寺垣が完成しました。→230401 雨岳文庫で竹垣作り体験実習&畑で野良仕事

 

◆環境整備     (雨岳文庫クラブ)

雨岳文庫クラブは、山口家住宅のお客様などが気持ちよく見学したり、活動したり出来るるように、年間を通して、花植えや草取りなどの環境整備活動をしています。→雨岳文庫クラブ

◆茶甕の修理

ばらばらになった破片を当財団の諏訪間伸学芸員が根気強く繋ぎ合わせ修復しました。→230129 山口家住宅ドマの茶壷の修復がされました

調査研究・研修や学習

 

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

「上粕屋(雨岳文庫)周辺」2/18(土)

各地から大山に向かってのびる「大山道」の収束地である上粕屋を、一般参加者21名、スタッフ13名で、素晴らしい天気のもと歩きました。→230305 晴天の下、大山道の集束の地を歩きました。

大山に向かって立つ二の鳥居は、はるばる岡山から船で運ばれた御影石を使用しており、「国土安穏」「天下泰平」を切に願う庶民によって建てられたものです。【ガイドシリーズ⑩『上粕屋(雨岳文庫)周辺』参照】

「岡崎城址とその周辺」4/15(土)

春雨が降りウォークの実施が心配されましたが、 熱心な参加者16名と案内スタッフ10名で岡崎城址と周辺の歴史を無事学ぶことができました。岡崎城址の岡崎丘陵地域全体を包む新緑が小雨に濡れ、映えわたり、まるでウォーク参加者を歓迎しているようでした。→230419 地元の岡崎城について深く学びました

◆民権散歩      (雨岳民権の会)

「小笠原東陽と耕餘塾跡」3/24(金)

参加者23名、スタッフ8名で、午前中は明治郷土史料室で三嘴家と耕餘塾の学習会、午後は羽鳥地域の史跡などを巡りました。→230330 第7回民権散歩のご紹介です。

明治期の羽鳥村に耕餘塾という私塾が小笠原東陽によって建てられ、多くの民権家を輩出し吉田茂も卒業生でした。東陽を招いたのは羽鳥村の名望家・三嘴八郎右衛門でした。

すでに三嘴家住宅(国登録有形文化財)は解体され、約1000㎡の敷地は6区画の分譲地のための工事が行われていました。現在、跡地付近には記念碑が建てられています。

雨岳文庫の施設や環境の利用 

◆国登録有形文化財の公開・案内

雨岳文庫では、国登録有形文化財 山口家住宅主屋を広く一般に公開し、毎日曜日にはボランティアによる案内を行っています。→230409 山口家住宅の案内風景を久々に投稿します。

この日のお客様たちは、とても熱心に見学され、立派な建材や凝った造りと匠の技に驚かれていました。

『幕末最後の代官所』である山口家住宅は、明治期には『自由民権運動の拠点』として利用されていました。今では手に入らない建材や職人の技が至る所に見られます。

◆西富岡の畑でパーティー (雨岳自然の会)

3/19(日)、この日は野良仕事よりイベント行事の方が盛りだくさんで、椎茸の菌駒打ち、沢庵の樽開け、続いて羽釜で炊いた白飯のおむすびに畑の野菜をふんだんに入れた豚汁などを皆で作って、皆でいただきました。→雨岳自然の会

新たなメンバーが何名か加わり、新年度も順調にスタートしました。

◆落語独演会      (古典芸能を守る会)

4/15(土)、林家たけ平師匠の落語独演会が行われました。あいにくの雨で少々寒い日でしたが、古民家の土間では絶えず笑いが起こり、楽しい時となりました。→230417 恒例の林家たけ平師匠の落語会が行われました

当日の演目は、「小田原相撲」と「片棒」の二題でした。当初は、しんみりとした人情噺を予定していましたが、高座に上がって客席を見渡すと、その中に二人の女子中学生が居ることが分かったため、演目を急遽換えたそうです。話芸だけでないプロの魂を感じました。

◆フォレストSDGs いちばin雨岳文庫

4/9(日)、大山の麓にある雨岳文庫を会場に、大人も子どもも楽しめる“市場”が開催され、約200名のお客様で賑わいました。→230409 いちば IN 雨岳文庫が開催されました。

eスポーツ、キックターゲット、キッチンカー、看護師職業体験、フリーマーケット、子育てカフェなど盛りだくさんで、子どもたちの笑顔が溢れていました。

⚽「伊勢原FCフォレスト」は、サッカーを通して自分で考えて行動できる子どもを育てる活動をしています。2月には、チーム所属の小学生が雨岳文庫でミーティングを行うなど、サッカーだけでなく様々な場面を設定して、自立した子どもを育てる活動を積極的に行っています。

地域文化の継承 

◆節句の飾り

「雨岳文庫 友の会」の有志の皆さんが、「総点検」と称して、毎月第3月曜日に山口家住宅の大黒柱磨きなどの清掃活動や、郷土の歴史などに関するミニ学習会を行っています。

その活動の一つとして、今年も、2月から3月には「桃の節句」、4月から5月には「端午の節句」に因んだ、ひな人形、鯉のぼり・五月人形を飾ってくれました。→230418 今年も明治時代の鯉のぼりは元気です

2022年 秋からの活動等の報告

 

調査研究・研修や学習

◆古文書講読会

川島敏郎氏(当財団評議員)を講師として毎月第二金曜日に行っている古文書講読会(幹事:鳥海正彦氏)ですが、「相州大山順路之記」の講読に続き、10月からは石田村に係る文書を読み進めています。

◆資料展と民権講座 (雨岳民権の会)

10/8(土)~12/10(土)、第4回湘南社自由民権資料展が行われました。11/13(日)には、NPO法人「ガチャバンとともに生きる会」の鷹林茂男氏を講師にお迎えし、「盲目の民権家 府川謙斎の生涯」と題して第8回湘南社民権講座が行われました。一般参加36名のほか、謙斎のご子孫が東大阪市・三重県津市・静岡市・東京からそれぞれ参加され、皆で平塚出身の民権家 府川謙斎について学び合いました。→民権講座”盲目の民権家・府川謙斎”のご紹介

今回の調査研究で、神奈川・東京・土佐・三重、各地における謙斎の活躍が明らかになり、それらが線として繋がりました。また、交流のなかったご子孫の方々を結び付けるきかっけにもなりました。

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

★ 9/17(土)、平塚駅が明治20年に出来てから大山詣りの拠点となった平塚の史跡を、「中原御殿と平塚からの大山道」と題して、一般参加者32名、スタッフ12名で巡りました。当日のコースは、平塚駅~平塚八幡宮~八幡山の洋館~戦災復興記念碑~海軍火薬廠の碑~相州中原富士の碑~中原御殿跡~大松寺~日枝神社でした。→雨岳ガイドの会では中原御殿へのウォークを行いました。

 恵泉女学園大学の敷地内にある埒面(らちめん)古墳を見学しました。この地区の古墳から出土されている副葬品は他地区のものと比べても卓越するものが多いそうです。

★10/15(土)、「三ノ宮とその周辺の文化財を訪ねる」を行いました。好天の下、参加者32名とスタッフ13名で歩きました。    →シルクロードの終着点は三ノ宮??

★12/17(土)、31名の一般参加者と11名のスタッフで、紅葉と霊気織りなす「日向薬師とその周辺」を歩きました。日向薬師は1300年の歴史を持つお寺で、日本三大薬師の一つです。源頼朝や北条政子も参詣や祈願に訪れています。趣のある参道や紅葉と常緑樹の織りなす風情と歴史を語る仏像に、参加された皆様は満足気でした。→雨岳ガイドの会では日向薬師をウォークしました。

 

 施設・環境の保全と整備 

◆山口家住宅周りの環境整備と二の鳥居の花植え (雨岳文庫クラブ)

雨岳文庫クラブは、山口家住宅見学のお客様を迎えるためや、大山への観光客に気持ちよく観光していただけるよう、年間を通して草取りや花植えなどの環境整備活動をしています。        →二の鳥居の廻りに花を植えました。

 

雨岳文庫の施設や環境の利用 

◆芸術の秋を楽しむ (山口家を盛り上げる会)

10/8(土)、春に続いて2回目の「古民家であなたもうっかりアーティスト」が開催され、99名が来場されました。アート展、ワークショップ、ゴスペル、ヨガ体験、キッチンカーなど、子どもも大人も芸術と自然いっぱいの秋を楽しみました。→古民家であなたも「うっかりアーティスト」

◆まが玉づくり&おはなし会

10/29(土)、秋晴れの山口家住宅の前庭で「まが玉づくり」が行われました。小さな子からベテランまで27名の参加者が、ガイドの会のメンバーなどから指導を受けながら、自分だけのまが玉を作りました。→秋晴れの下、貴方だけの勾玉づくりです。

離れの「旧鈴木喜三郎邸」では、“おはなしばる~ん”の皆さんによる「おはなし会」で、伊勢原ゆかりのお話などを楽しみました。

◆自然体験活動を通した学びの場

○いも掘り&焼き芋の体験

10/30(日)、少年サッカーチームの小学生とその保護者、55名が協力してサツマイモの収穫と焼き芋に挑戦しました。子どもたちは落ち葉をかき集めたり、バッタやアマガエルとの遭遇に驚いたり、自然の中で楽しみました。焼き芋が焼けるまでは山口家住宅を見学。槍などの武具に興味津々でした。→サッカーチームの子供たちの自然交流です

○秋の雨岳文庫に行こう(校外学習)

11/11(金)、春に続いて、地元の小学校の子どもたち36名と先生方11名が来園されました。春に来園した際に自分たちが植えたサツマイモの収穫、虫とり、木のぼりなどの自然体験を通して、秋の自然との交流を楽しみました。梅林は子どもたちの笑顔で溢れていました。→子供たちの笑顔満載の山口家住宅です。

◆西富岡の畑で秋の収穫祭 (雨岳自然の会)

雨上がりの10/15(土)、自然の会恒例の「秋の収穫祭」が行われました。今年はサプライズで当会の統括者、吉羽先生の傘寿のお祝いもされました。収穫物は里芋、サツマイモ、枝豆、間引き大根、落花生等々、収穫したばかりの野菜たちをその場で煮炊きします。色々なご持参品も集まって、豪華で豊かな収穫祭となりました。また、雨岳文庫の梅林で9月に採蜜をしたニホンミツバチの蜂蜜もプレゼントされました。→西富岡の畑で収穫祭+傘寿のお祝い

◆青空おはなし会 (おはなしばる~ん)

“おはなしばる~ん”の「青空おはなし会」が、10/22(土)に行われました。秋にしては気温が高めの一日、小鳥の声がふっと止んだ頃におはなし会が始まりました。そよ風と空と林のもとで、7組16名の親子とスタッフ8名のみんなの笑顔があふれたひと時となりました。→青空おはなし会のご紹介です。

◆林家たけ平落語独演会(古典芸能を守る会)

12/10(土)、林家たけ平師匠の落語独演会が開催されました。演目は「転失気(てんしき)」と「愛宕山」。初めてのお客様でも、比較的分かり易い噺が披露されました。想像力の溢れるお客様ばかりで、16名の観客から笑いが絶えませんでした。暖かい日で、一年の締めくくりの良い一日となりました。→林家たけ平師匠の落語独演会のご紹介

地域文化の継承

◆年末から正月の行事

雨岳文庫の年末は、クラブの皆さんとガイドの会皆さん等による山口家住宅内外の大掃除から始まり、その後、神棚や仏壇の掃除、餅つきと鏡餅やお飾りづくり、年神様を迎えるための神棚等への正月飾りなど、新年を迎えるための準備をします。→今年最後の庭掃除12月の総点検活動のご紹介です。山口家のしめ飾り

「昭和三年辰年震災復旧」と記されているお猪口。お燈明に使っています。平穏な1年となりますように!

年が明けて三が日は、早朝に年神様や大神宮に御燈明とともにお供えをします。

その他いろいろ 

◆国登録有形文化財特別公開

11/3(木祝)、伊勢原市教育委員会による市内3か所の国登録有形文化財の特別公開では、各所で歴史解説アドバイザーの皆さんが活躍されました。山口家住宅は日頃から公開しているためか、お客様はほとんどいらっしゃいませんでしたが、オプションで用意していた「雨岳文庫周辺の史跡巡り」には、お一人の方が参加してくださいました。→国登録有形文化財特別公開日の山口家住宅です。

日焼け防止のために、普段は覆いで隠されている玄関口のケヤキの腕木も公開しました。

 

2022年 春から夏の活動等の報告

8月は、新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大と猛暑による熱中症のリスク回避のために、主屋の案内付き公開、総点検活動、古文書講読会は急遽休止としました。

 研究・研修や学習

◆ガイド養成講座  (雨岳ガイドの会)

「伊勢原とその周辺の歴史」を学び、伝えることによって「地域をもっと元気にしたい」「地域をもっと好きになってもらいたい」との願いを込めて活動している雨岳ガイドの会。

この輪を広げるために、5/14(土)・21(土)の2日間の日程で「ガイド養成講座」を開催し、8名の方が参加されました。

 

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

6/18(土)、梅雨空でしたが、「海からの大山道・須賀と平塚宿」を行い、一般参加38名とスタッフ9名の計47名で、楽しく歩きました。

港稲荷神社が隣接する相模川(馬入川)堤防上では村上会長による「相模川水運と須賀」の講座が持たれました。

 

環境の保全と整備

◆電気配線の点検と緊急修理

山口家住宅の電気配線の一部は、明治時代の電線やスイッチがそのまま使われています。

電気工事をする中で、電圧の異常低下がみられ漏電の恐れがあったため、緊急点検と修理を行いました。

 

◆二の鳥居の花植え (雨岳文庫クラブ)

雨岳文庫の春~夏は、様々な花が咲き、とても過ごしやすい季節ですが、雑草もぐんぐん伸[状態]びて、放っておくと大変なことになってしまいます。

雨岳文庫クラブは、お客様を迎えるために、草むしりや花植えなど地道な活動をしてくださっています。

 

雨岳文庫の施設や環境の利用

雨岳文庫や山口家所有の施設・自然環境などを利用して、友好団体や友の会会員の皆様がさまざまな活動やイベントを行っています。

◆第1回「あなたもうっかりア一ティスト」

(山口家を盛り上げる会)

晴天の5/5(木)のこどもの日、地域の8つの文化交流グループが共同で、「あなたもうっかりアーティスト」と称し、陶芸やシーグラスなどの各種作品展示のほか、子どもたちが自由に描いて作品を作るコーナーも開かれました。

主屋の茶の間ではピラティス、前庭ではキッズダンスも行われました。老若男女108名の参加者が、手づくりコーヒー、キッチンカーのタコスやラーメンを飲食しながら、思い思いに楽しい休日を過ごしました。

◆小学生の自然体験(校外学習)

6/3(金)、地域の小学校の校外学習が雨岳文庫で行われました。小学生30名が、先生方10名とともに、玉ねぎとジャガイモの収穫、お茶摘み、梅狩り、サツマイモ苗の植え付け、木登りなどを行いました。

豊かな自然があってこそ、私たち人間の営みが可能になるということを、自然体験を楽しみながら学んでくれたら幸いです。

◆青空おはなし会と朗読会(おはなしばる~ん&手毬会)

5/21(土)、7/16(土)、おはなしばる~んによる、子ども向けの楽しい「青空おはなし会」が行われました。両日とも生憎の雨天でしたが、楽しいひと時となりました。(参加者;5/21…17+7名、7/16…11+6名)

6/22(水)、手毬会による、趣のある「朗読会」が行われ、参加者;14+4名)

おはなし会・朗読会を通して、「耳を傾け話を聴く」習慣が広まるといいですね。

◆お茶摘み・梅の収穫  (山佐農園)

5/10(火)、雨岳文庫のお茶摘みに、ご近所の方や友の会会員など、42名が参加しくださり、100Kg以上の茶葉を摘むことができました。

5月から7月には、友の会の会員の皆さんが、小梅の収穫や「白加賀」「鶯宿」の青梅狩りを楽しみました。

完熟した「十郎」「南高」は梅干しにします。

今年は約4.9tを塩漬けしました。40日ほど塩漬けした梅は、土用干しした後、さらに3年間漬け込みます。

塩漬けすると出来る綺麗な白梅酢は貴重な副産物です

―伝統文化の継承―

◆鯉のぼりが元気を取り戻しました

5月に 山口家住宅の土間の空間に飾られる、明治時代と昭和時代中期の鯉のぼりは、いくつもの時代を経て、口元と目玉の布が擦り切れ状態でしたが、近所の手縫いの達人の奥様が修理してくださいました。

中央の鯉のぼりは、3間もある巨大な真鯉です。吹き流しは土間には飾れないので、虫干しの日が貴重なお披露目の場となります。

 

―お客様いろいろ―

◆柳生心眼流のご披露

山口家5代当主山口左司右衛門は、柳生心眼流の免許皆伝者でした。5/22(日)、この皆伝書が取り持つ縁で、古都鎌倉で当流派を継承されている鎌倉練武会の剣士8名が雨岳文庫を来訪されました。

山口家住宅に展示されている武具や扁額をご覧になられた後、前庭で柳生心眼流の演武をご披露してくださりました。

柳生心眼流は、江戸幕府の剣術指南をされた柳生但馬守宗矩から認定された武術です。なお、鎌倉練武会代表の大舘氏は柳生心眼流の師範で、講道館柔道7段の腕前です。

◆海外からのお客様

7/20(水)、「ワールドキャンパスいせはら」による「チャレンジしよう!国際交流2022」のご一行が来訪されました。アメリカ、ノルウエー、ドイツ、ポーランド、フィンランド、フランス、日本の若者11名とガイド4名の計15名が、山口家住宅主屋と企画展『浮世絵でみる大山詣り』を見学され、その後、日本舞踊と甲冑隊との交流も楽しまれました。

雨岳文庫の案内や展示の説明は、田中、石井、庄司の3名が担当しました。海外からのお客様が日本の歴史や文化を理解しやすいように、説明文の英訳について何回も検討を重ねていました。

また、友の会

鯉のぼりの修理をしてくださった奥様が、土間のテーブルカバーと椅子の座面カバーも作ってくださいました。

なお、使用した布は、会員の方から頂いた浴衣を再利用しています。

有志の皆さんが総点検の作業として主屋を掃除してくださり、また、近所の料理名人の奥様たちは雨岳文庫の梅を使ったお土産を作ってくださりました。

 

 

2022年 冬から春の活動等の報告

ー研究・研修や学習―

◆古文書講読会

毎月第2金曜日に、当財団評議員で伊勢原市文化財保護委員の川島先生のご指導の下で、古文書を読み合っています。今年に入ってからは「相州大山順路之記」を読み進んでいます。

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

  • 2/19(土)「大山道合流の地、道灌ゆかりの下糟屋・上粕屋」は、一般参加28名とスタッフ11名で、平安時代から続く「糟屋庄」の道を歩きました。「大慈寺」では本殿、「高部屋神社」では拝殿を拝観させていただく機会をいただきました。
  • 3/19(土)「水陸交通の要所・厚木と渡辺崋山」は、一般の31名とスタッフ11名の歴史散策でした。岡田の「長徳寺」では本堂にあげていただき、奈良の東大寺の棟梁を務めた手中明王太郎の手による建築の素晴らしさを堪能させていただきました。
  • 4/16(土)、開村の謎を訊ねて「開村400年の伊勢原」を歩きました。当日は3年ぶりに開催された日向薬師の例大会の日でしたが、一般の方が29名も参加され、スタッフ9名とともにミステリーウォークを楽しみました。
高部屋神社の拝殿です。間近に見ることのできない扁額や獅子の面などを見学。

五間社流造の本殿、杮葺きの金比羅宮、伊勢原に残されている4古鐘の一つなど

見どころの多い神社の造りは茅葺、竜宮城の彫刻などを堪能されたと思います。

◆第6回湘南社民権散歩(雨岳民権の会)

3/27(日)、桜満開の下で、「武相の民権運動と民権家たち」をテーマに、一般参加者15名とスタッフ7名で学習と見学を行いました。町田市立自由民権資料館では、学芸員の方から学習と常設展の説明を受けました。学芸員のユーモアある語り口に引き込まれました。午後は民権関係の史跡巡りを行ました。

多摩地域の民権運動と相模野民権運動がネットワークでつながりながら地域的特徴があることも理解できました。

⑤ 薬師池公園にたつ自由民権の像

町田市制40年を記念して、1998年に制作。製作者・三橋國民は名誉都民。

石造中央部には「自由民権」と刻まれた釣鐘がかかっている。

―環境の保全と整備―

◆竹垣(建仁寺垣)作り

雨岳文庫の竹垣がかなり痛んでいたので、作り直しました。今回は入り口側の半分を新しくし、残りの半分は来春に行う予定です。

8年程前に建仁寺垣づくりの体験学習会を行いましたが、今回は、その時のことを思い出しながらの作業となりました。

◆春の草取りなど   (雨岳文庫クラブ)

雨岳文庫の春は、様々な花が咲くなど、とても過ごしやすい季節ですが、雑草もぐんぐん伸びて、放っておくと大変なことになります。雨岳文庫クラブは草むしりや草刈りなど地道な活動でお客様を迎える環境整備をしてくれています。

―雨岳文庫の施設や環境の利用―

雨岳文庫や山口家所有の施設・自然環境などを利用して、友好団体や友の会会員の皆様がさまざまな活動やイベントを行っています。

◆椎茸菌打ほか     (雨岳自然の会)

雨岳自然の会では西富岡の畑を中心に様々な作業や活動を行っています。この時期は様々な植物が大きく成長し心が沸き立つ時期です。そのような中、3月には椎茸の菌打作業や沢庵の樽開け、4月には冬から育てた野菜の収穫や種まき、そして草むしりなど…。ゆったりした時の流れは貴重ですね。

◆甘いカリカリ梅づくり(雨岳自然の会)

4/29(金祝)、未熟小梅の収穫と「甘いカリカリ梅」の加工に挑戦!の一日目です。

2時間程度で約80Kgの小梅を採取できました。この後、水切りから塩漬けを行い、一週間後に本漬けの作業を行いました。

◆タケノコ掘り

今年は例年以上に立派なタケノコが収穫できました。毎年お手伝いに来てくれている子たちも上手に掘れるようになってきました。後半は、サルやイノシシとの競争となりました。

◆林家たけ平独演会  (厚木たけ平の会)

4/30(土)、恒例の林家たけ平師匠の落語独演会が代官屋敷・山口家住宅にて開かれました。参加者は20名、演題は、「悋気(りんき)の火の玉」と「徂徠豆腐」でした。

「面白いお話だったね!」などと話をしながらお帰りになっていく姿から、師匠のお話を堪能された様子がうかがえました。

代官所造りのドマでは明治と昭和生まれの鯉のぼりも師匠の語りを楽しんでいます。

◆「せんみ凧」を作って飛ばそう!

5/3(火祝)、青空の下で、玉川せんみ凧保存会の皆様のご指導により「せんみ凧づくり教室」を行い、5歳から中学2年までの子ども20名と保護者等が参加されました。

お昼休みには、書院造りの部屋で、おはなしばる~んの皆様による「おはなし会」を楽しみました。

午後は、思いっきり走り回りながら、自分が作ったせんみ凧を飛ばして遊びました。

―伝統文化の継承―

◆松の「菰(こも)外し」

「立冬」の日に、瀬戸様(友の会会員)の手で巻かれた松の菰(こも)が、3/5の「啓蟄」の日に、瀬戸様とご息女の手により外されました。「菰巻」は江戸時代に大名の庭園の松を護るために始められた習慣です。古来からの風習を出来るだけ絶やさないようにしたいものです。

菰巻きの縄が順次外されています。

◆桃の節句と端午の節句

桃の節句・雛祭りに合わせて、書院造の奥の間に昭和初期あるいは昭和から平成の時代のお雛様が飾られました。昭和8年のお雛様です。お内裏様は昔からの伝統に従い、向かって左側がお姫様です。

書院の間に飾られている取材時の雛飾りです。

端午の節句前には、明治時代と昭和中期の鯉のぼりが土間の空間を泳ぎ、五月人形が奥の間に飾られました。明治時代の真鯉は約3間と大きく丈夫な布に手書きの色付けがされています。

矢車の下には長い吹き流しが有りました。各時代を語る真鯉と緋鯉か主屋の大屋根

の下でのびのびと泳いでいます。

山口家住宅のことをわかりやすくまとめた案内書が完成しました。海外からのお客様にも使っていただけるように、英語版も作成しました。「販売してもよいのではないか」というお声も聞きますが、現時点では300円の見学料を頂戴した方にはもれなくお渡し、見学の際に理解を深めるためにご利用いただいています。
◎案内書の作成【ワーキンググループの報告】

 

◎文書蔵屋根の葺き替え

山口家住宅やその付属建物は、元々は瓦葺きでしたが、関東大震災の時にそのほとんどが落ちてしまいました。それ以降、主屋の屋根は大波のトタン葺きとなっており、文化庁から評価されている一つとなっています。

現在まで唯一残っていた文書蔵の屋根瓦ですが、老朽化が進み修繕が必要になったことから、この度、新しい素材の屋根に葺き替えました。もともとあった鬼瓦だけは瓦屋さんに補修していただいた上でそのままの位置に据えられました。

▼文庫蔵の諸財はこのガルバニウム鋼板によりこれからは長期に渡り守られます。

2021年 秋から活動等の報告

ー研究・研修や学習の場―

◆海外からのお客様向けの解説研修

10/30(土)、「観ボラ」の外国語ガイド養成講座の皆様が雨岳文庫に来訪されました。

海外からのお客様向けに歴史施設を英語で解説するための研修が目的で、講師の石井様(友の会会員)と8名の観光ガイド養成講座研修生が、「二の鳥居」と「山口家住宅」を題材に、実際に英語を使って解説する研修が行われました。

◆柳生心眼流に関する調査・学習

練武会の皆様は極意巻に記されている技を修得されているとのことですので、ぜひ演武を拝見したいものです。雨岳文庫には山口家第5代当主が授けられた柳生心眼流の皆伝巻5巻が保管されています。この皆伝巻が取り持つ縁で、11/14(日)に柳生心眼流を鎌倉で鍛錬されている「鎌倉練武会」の皆様が来訪されました。

皆伝巻は「御座松常設展」で公開しています。

取縄巻では捕られた者が、当時の社会のステータスにより縛られ方が違う

ことを教えて頂きました。誓子には皆伝者がしてはならないことが記されて

います。破ると天罰が下ると記されています。規律が守られているのですね。

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

  • 10/16(土)の「大山の門前町」は、小雨の天候でしたが25名の一般参加者とスタッフ11名の計36名で、多くを語り合いながら楽しいウォークとなりました。
  • 11月と12月は矢倉沢往還とその近くにある史跡などを巡るコースでした。参加者が満足できて、しかも安全に完歩できるように、スタッフの皆さんは、調査や下見を重ね計画を練り、前日遅くまで準備をしていました。そのお陰で、両日とも晴天に恵まれ、楽しいウォークとなりました。

なお、11/20(土)の「矢倉沢往還①太郎と如水を訪ねて里山を歩く」は、一般35名、スタッフ10名の計45名、12/18(土)の「矢倉沢往還②古道の面影が残る矢倉沢往還を歩く」は、一般39名、スタッフ11名の計50名の参加者でした。

矢倉沢往還の当時の面影が残る道筋では、村を護ってくれた神様に感謝する

石造物が、近郷の方によって今も大切にされています。

◆『雨岳文庫と伊勢原の民権家たち』

民権講座の新たな形 (雨岳民権の会)

第3回湘南社自由民権資料展「伊勢原の近代化と民権家群像」開催期間中の9/19(土)、特別企画として郷土の民権家たちについて学び合う場を設け、38名の方々に参加していただきました。

まず、当財団の津田専務理事を講師に、山口左七郎ほか山口家各当主が農村の近代化に果たした役割などについて学びました。

次に、地方農学の開拓者で農民生活の改善に尽力し小学校の検定教科書まで著した山口書輔の曾孫に当たる山口義文様の奥様の山口さく様と山口左七郎の子孫となる当財団の山口匡一顧問のお二人から、書物からは知ることのできない視点からの貴重な話を伺いました。

埋もれた郷土史 が掘り起こされ、伊勢原の近代化に尽力した民権家の姿に光が当てられました。

厚木出身、地方農学の開拓者で農民生活の改善に尽力され小学校の検定教科書まで

著された山口書輔氏の曾孫のご当主の奥様、山口さく様からは内輪のお話しが。

◆来賓をお招きして  (雨岳ガイドの会)

伊勢原市市制施行50周年記念企画展「浮世絵でみる大山詣り」の開催に先立ち、お世話になった方々に感謝を込め、10/25(月)に「内覧会」を行い、日頃ご支援をいただいている伊勢原市関係の皆様や市民活動団体でご活躍の皆様など、計34名の方々に展示をご覧いただきました。義家衆議院議員からは祝文を、渡辺県議からは祝辞をいただきました。

スタッフ一同も入れていただいた記念撮影です。シャッターを落とす短い時間ですが、

マスクを外させていただきました。

―環境の整備―

◆山口家住宅の清掃や資料の掘起し

毎月一回、「山口家総点検」と称して、有志の皆さんが、山口家住宅のケヤキの大黒柱磨きや清掃とともに、隠れた資料を掘り起こしたり、情報共有しながら学び合う活動を行ったりしています。節句の時期には、明治期の鯉のぼりやひな人形を飾る活動などもしてくれています。

◆二の鳥居周りの花植え (雨岳文庫クラブ)

10/24(日)、今年も伊勢原市から頂いた花を二の鳥居の周りなどに植えました。

また、翌日に予定されていた資料館での企画展「浮世絵で見る大山参り」の内覧会に向けて、山口家住宅の前庭等をきれいにしました。

―雨岳文庫の施設や環境の利用―

雨岳文庫及び山口家所有の施設・環境や備品などを友好団体に貸し出し、さまざまな活動やイベントに利用していただいています。

◆青空おはなし会 (おはなしばる~ん)

7月から10月までの間に不定期で「青空おはなし会」が行われました。

10/12(火)、爽やかな微風が心地よい山口家住宅の裏山の梅の木の下で、3組のご家庭のお子さんたちが伸び伸びと「おはなしばる~ん」の皆さまの巧みな指芝居やお話し、紙芝居に引き込まれていました。

最終回の10/27(水)は、残念ながら雨模様だったので、山口家住宅の隠家的な存在である「旧鈴木喜三郎邸(田村家離れ)」で行われました。

◆秋の雨岳文庫に行こう

11/5(金)、秋晴れの下、雨岳文庫周りの畑で比々多小学校の30名の皆さんが校外学習を行いました。学習テーマは「自分のことは自分でする」「すすんで挨拶する」「いっぱい楽しもう」です。

学校から山口家住宅までの片道約1時間を頑張って歩き、主屋前では大きな声で挨拶、自分の持ち物は自分で点検、芋ほりや虫取り、栗拾い、木登りをいっぱい楽しみ、目標は見事に達成できました。

春、植えた苗がこんなに大きなお芋に成長していました。

◆市のHPに動画で登場 (雨岳自然の会)

伊勢原市の「COOL CHOICE」事業の一環で、地球温暖化抑制など「環境」をテーマに活動している団体として「雨岳自然の会」が選ばれ、市のHPでその活動の様子が紹介されています。

紹介の投稿

◆林家たけ平独演会  (厚木たけ平の会)

12/4(土)、恒例の林家たけ平師匠の落語独演会が代官屋敷・山口家住宅にて開かれました。演目は、年の瀬に相応しい人情噺「芝浜」で、15名の観客が噺に引き込まれました。

◆そば打ち体験   (自然塾丹沢ドン会)

12/11(土)、山口家住宅のチャノマではドン会の36名の皆様が蕎麦打ちを楽しまれ、その合間には主屋と資料館の企画展の浮世絵を熱心に見学されました。

江戸時代の代官所のドマでは現代人が蕎麦づくりに、お味は何時のじだいのもの

でしょうか?

―伝統文化の継承―

◆松の「菰(こも)巻き」

11/7(日)の立冬の日、県立技術校で講師をされていた瀬戸様(友の会会員)の手で松の菰巻きが行われました。下から七・五・三と巻かれ、結び目はキリッとしたオトコ結びで、伝統的な「菰巻き」は、晩秋の日本の風物詩です。

◆年末の大掃除

皆さんのおかげで新年を迎えられます。

 

 

2021年春から夏への活動

ー研究・研修や学習の場―

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

参加者全員の体温測定・マスク着用、説明者の対面時の距離の確保など、対策をとりながらの実施です。ウォーク終了時に次回の予約をして下さる熱心な参加者も多数いらっしゃいます。

  • 6/19(土)の「青山通大山道(上粕屋~大山)」は、小雨の中でのウォークになりましたが、26名の一般参加者とスタッフ10名の合計36名にて実施しました。上粕屋の子易明神(比比多神社)から旧這子坂経由で阿夫利神社社務局まで歴史探索を行いました。途中で雨も上がり、昼休みには「大山寺縁起」の紙芝居を行いました。
昼休みの大川小学校では大山寺縁起の紙芝居が語られています。
  • 7/17(土)、「大山寺と阿夫利神社」の参加者は一般28名、スタッフ10名の計38名でした。熱中症を避けるためにケーブルカーを使うなどの対策を講じました。茶湯寺では涅槃姿のお釈迦様を直接拝観いただける機会に恵まれました。梅雨明けの晴天の中、阿夫利神社下社からは江の島が遠望できました。

◆湘南社自由民権資料展(雨岳民権の会)

コロナ対策を講じながら、第3回湘南社自由民権資料展「伊勢原の近代化と民権家群像」が開催されています。今回の資料展は伊勢原地域の民権家群像に焦点をあてながら、伊勢原の近代化という歴史の中で民権家の実像に迫るものとなっています。資料展初日には、渡辺紀之県議も駆けつけて下さいました。9/26(土)まで。(土・日のみ)

―環境の整備―

◆家周囲の草取りなど(雨岳文庫クラブ)

7/25(日)、月に一度の環境整備では、暑い日差しの中、庭の整理と茶畑のツル取りが行われました。

―雨岳文庫の施設や環境の利用―

雨岳文庫及び山口家所有の施設・環境や備品などを友好団体に貸し出し、さまざまな活動やイベントに利用していただいています。

◆林家たけ平独演会  (厚木たけ平の会)

6/26(土)に第5回林家たけ平(真打)落語独演会が開催されました。お客さんの一人の情報により、たけ平師匠は、急遽演目を変更されたそうです。

◆青空おはなし会 (おはなしばる~ん)

7月から不定期に「青空おはなし会」が行われています。古民家で、指人形遊びや紙芝居、絵本など、「おはなしばる~ん」の方々の楽しい語りに子どもたちは引き込まれていました。

ぞうさんとそのお友達の動物の楽しいお話しの紙芝居です。

10月まで不定期に開催されます。気持ち良い秋の青空のもと、木陰で楽しいおはなし会が出来ると良いですね。(P4「これからの活動予定」参照)

◆梅干しづくり      (山佐農園)

今年は、例年より10日ほど早い収穫で、約4tの梅を塩漬けしました。1か月半程漬けた後、梅雨明けを待って、雨岳文庫の前庭で土用干しが始まりました。

◆夏の西富岡の畑で  (雨岳自然の会)夏本番の猛暑の中、熱中症に十分気をつけながらの農作業です。野良仕事は大変ですが、メンバーの皆さんは収穫の喜びを感じながら楽しんで取り組まれているようです。

からの活動等の報告

ー研究・研修や学習の場―

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

3月まで中断していた「文化財ウォーク」が4月より再開されました。参加者全員の体温測定・マスク着用、説明者の対面時の距離の確保など、対策をとりながらの実施です。

「有鹿神社」では、何とパンダ姿の宮司が迎えて下さいました。

相模国13座の一つで奈良時代から存在し、水神様を起源とすると伝わる

「有鹿神社」では、何とパンダ姿の宮司が私たちを迎えて下さいました。

  • 4/17(土)の「青山通大山道(海老名~厚木)」では、延喜式内社・有鹿神社、国史跡・相模国分寺、鎌倉御家人・海老名氏ゆかりの地、矢倉沢往還・国分寺を訪ねました。天気予報では悪天候でしたが、当日は曇りと小雨の中のウォークとなり、一般参加者16名とスタッフ11名、合わせて27名でコロナ対策を行いながら楽しくウォークを行いました。

 

◆湘南社民権散歩  (雨岳民権の会)

3/27(土)、「第5回湘南社民権散歩」が行われ、秦野方面に行きました。一般参加者28名とスタッフ10名が小グループに分かれて曽屋神社から弘法の清水まで歩きました。

当日は秦野の複数の歴史研究グループの参加や協力もいただき、詳細なお話などを伺うことができました。

―環境の整備―

◆家周囲の草取りなど(雨岳文庫クラブ)

雨岳文庫クラブの皆さんは月に一度、雨岳文庫の環境整備を行ってくれています。3月には、伸び始めた雑草取りを行ったり、梅園の散策路を撤去したりしました。

メンバーの中には、自主的にお茶畑や二の鳥居周りの花壇の草取りなどをしてくれていたり、伸びた樹木の枝を整理してくれたりしてくれている方たちもおり、このような方たちのおかげで雨岳文庫の環境が保たれています。

 

―雨岳文庫の施設や環境の利用―

雨岳文庫及び山口家所有の施設・環境や備品などを友好団体に貸し出し、さまざまな活動やイベントに利用していただいています。

 

◆筍掘り         (山佐農園)

今年は3月末から筍が出始めました。知り合いの家族が子連れで筍掘りの手伝いをしてくれました。

◆西富岡の畑で     (雨岳自然の会)

雨岳自然の会では土日を中心に西富岡の畑で野菜作りなどを行っています。

3/14(日)には、椎茸の菌駒打ち、沢庵の樽開けなど、3/27(土)には、いろいろな初夏野菜の作付け準備など、仲間たちと、密にならずに、お花見を兼ねての野良仕事はリフレッシュになるようです。収穫野菜を使ったごちそうも美味しそうですね。

 

◆二ホンミツバチの分蜂

雨岳文庫の梅畑には二ホンミツバチの巣が置かれており、梅の開花時期には、このハチたちが梅の受粉を手伝ってくれています。

3/31(水)の昼過ぎに、「分蜂」が観察できました。春になると、新しい女王バチが生まれ、その母親の女王バチは、働きバチの約半数を連れて巣を飛び出し、新たな場所に巣を作るのだそうです。これが“分蜂”です。ちなみに、昨年は4/11に分蜂を確認しています。

年度の切り替えである3月の末日に、このような姿を見ることが出来たことに、深い感慨をおぼえました。

 

◆林家たけ平独演会  (厚木たけ平の会)

4/30(金)に第4回林家たけ平(真打)落語独演会が開催されました。師匠は観客を自然に話の中に誘導しながら人々の機微に触れる噺でした。「若旦那の恋煩い」の語りに引き込まれた聴衆の皆さんは、コロナ感染による息苦しさから解き放された1時間半では無かったでしょうか。

 

*昨年夏から秋の活動等の報告*

―山口家住宅リフレッシュ計画―

◆金砂子(金箔)の輝きが戻る

書院造りの「奥の間」の床の間、脇床、襖の修繕が行われました。痛みの激しかった表装も職人さんの手によって汚れが落とされ、下部に散りばめられた金砂子(金箔)は光を受けて美しく輝くようになりました。ぜひ一度、山口家住宅にお越しください。

なお、修復作業の様子や職人さんから伺った説明などは以下に詳しく載せていますので、ぜひご覧ください。
→  201025 書院の間の襖が修復されました。

ー研究・研修や学習の場―

雨岳文庫では、所蔵資料の整理や古文書の調査研究などを行っています。また、一般の方が参加できる学習の場も用意しています。

◆第6回 湘南社 民権講座(雨岳民権の会)

10/31(土)に行った「第6回 湘南社 民権講座」は通常とは趣向を変え、コロナなどで閉塞感のある世の中を明るく笑い飛ばし参加者に元気になっていただきたいという思いで、『現代の自由民権を歌う』と題して、カンカラ三線・演歌師の岡 大介氏をお迎えしました。明治の自由民権派の演説を政府から禁じられたため、演説の代わりに「オッペケペ」節で社会風刺を歌い、世に訴えたものです。なお、最後に歌われた『湘南社ソング』は雨岳民権の会のIさんが作詞をし、岡氏に歌っていただきました。現在、YouTubeに動画がアップされています。

今回は、コロナ対策で参加者数を抑え、一般20人、会員21人でした。土間の観客席や室外の立見席を設けるとともに、演者と聴衆の間にはビニールの幕を設置しました。また、横浜の会員の方からアクリル板などをご寄附いただき、受付場所で使わせていただきました。
→ 201031 第6回・湘南社・雨岳民権講座のご紹介

◆文化財ウォーク (雨岳ガイドの会)

中断していた「文化財ウォーク」が9月より再開されました。参加者全員の検温、消毒、マスク着用、対面時の距離の確保などの対策をとりながら行っています。

  • 9/19(土)、『上粕屋(雨岳文庫)周辺』は、27人の一般参加者とスタッフ12人で行いました。太田道灌ゆかりの五霊神社では新たな発見もあったようです。
  • 10/17(土)、『岡崎城址とその周辺』は寒い雨天でしたが、40人(一般28人、スタッフ12人)が元気良く史跡を巡りました。今回は特に串橋の歴史探索グループ7人の方に参加いただきました。紫雲寺のご住職のご厚意で本堂に上がらせていただき説明をいただく機会にも恵まれました。→ 201017 前期・後期の岡崎城址を訪ねました。
  • 11/21(土)の『池端から下糟屋』は、小学生を含む一般37人とスタッフ12人で小春日和の中を歩きました。平安時代末には下糟屋に「糟屋荘政所」が置かれ、西相模全体の政務を統括したそうです。また、鎌倉時代から室町時代前半には糟屋有季が、室町時代後半から戦国時代には太田道灌が活躍したと思われる「丸山城」、江戸後期にロシアからの圧力回避と北の大地の安寧を願い蝦夷地に向かった僧たちの苦難の歴史など、この地の様々な歴史にふれることが出来ました。→  201121 糟屋宿に宿る歴史を訪ねました。
  • 12/19(土)、51人(一般40人、スタッフ11人)が3班に分かれ、『金目観音とその周辺』を訪ねました。文化財の宝庫・金目観音、源頼朝の旗揚げ時の伝説の勇者・真田与一ゆかりの地、熱心な自由民権運動と地域の学校教育の原点となる地です。与一堂では、源頼朝旗揚げの戦いで若き与一と共に無念の最後を遂げた陶山文三のご子孫の陶山氏から直接ご説明をいただく幸運にも恵まれました。→ 201219「金目観音とその周辺」を訪ねました。

 

―雨岳文庫の施設や環境の利用―

雨岳文庫や山口家が所有する施設・環境などを友好団体に貸し出し、さまざまな活動やイベントに利用していただいています。

 

◆校外学習 (伊勢原市立比々多小学校)

10/16(金)、地元の小学校の皆さん50名が来園されました。今年はコロナの関係もあり短い時間となりましたが、イモ堀り、栗拾い、落花生採り、木登り、虫取りなど、普段の生活では経験できない活動を、広々としたオープンスペースの山口家の梅林と畑で行いました。久々に巣ごもりから解放され、思い思いの時を過ごせたようです。

→ 201016 比々多小の皆さんの校外学習

◆伊勢原の文化や自然を大切に!(雨岳自然の会)

雨岳自然の会では、大山山麓の伊勢原の生活文化や自然環境を大切にし、自然と土と作物と花と生物に親しむ活動を行っています。

10/18(日)、西富岡の畑で採れたご馳走で、秋のイベント『収穫祭』を楽しみました。→ 201018【雨岳自然の会】西富岡の畑で秋の収穫祭

 

◆林家たけ平独演会  (厚木たけ平の会)

12/12(土)、真打 林家たけ平師匠による落語『暮れに聴く人情噺』が行われました。

博打に明け暮れた父親の改心劇が、様々な登場人物が織りなす人間模様とともに機微を交えた語り口で語られ、聴衆が引き込まれた1時間でした。→ 201212 第3回林家たけ平独演会が開催されました。

コロナを警戒し、人数制限とともに、高座と聞き手13人がそれぞれの距離を保った中で開催されました。

―伝統文化の継承―

◆菰(こも)巻き

立冬の翌日、前庭の松の木の『菰(こも)巻き』が、元県立平塚技術学校講師の瀬戸隆志氏によって行われました。→ 201108 山口家の庭の松に「菰巻き」がされました

結び目や巻き方は伝統に基づいています。立冬に菰巻きを行い、啓蟄に藁を外し燃やすのを目安としているそうです。

菰巻きは藁の中に産み付けられた虫の卵を駆除するのが目的ですが、雨岳文庫の藁には殆ど卵は無く、むしろ「風習の継続」という思いで行っているとのことです。

 

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