雨岳文庫・山口家住宅の2階の数寄屋造りの部屋の床の間の「貼付け壁」の修復を6月から行ってきましたが修復が完了しましたのでお知らせします。「貼付け壁」は柔らかさを醸し出すためのもので、10層もの高級和紙が匠の手により貼り付けられています。表装だけは、昔からのものを使用していますが、裏側は昔の和紙を注意深く剥がして新たな和紙で裏打ちされています。壁の下部には金砂子と呼ばれる金箔が降られ、壁の四隅は「四分一」という細い木材で壁止めが行われ壁の雰囲気を締めています。この壁の修復により「千鳥が波間に遊んでいる螺鈿細工」、「研出し蒔絵の床框」、「黒柿による城楼棚」、「精巧な組子による干し網」なども心なしか活き活きとしていますので、皆様のご来訪をお待ちしています。
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