雨岳文庫山口家住宅は現在の地に別な場所から明治2年に曳家をされてきました。曳家時の屋根は瓦葺でしたが、100年前の大正12年の関東大震災の時にこの瓦が滑落してしまいました。このためトタン葺きとなりましたが当時のトタン板は輸入品で高価なものでした。塗料もコールタールという、コークスを製造する時に得られる副産物で高い防錆性、防蝕性を有するもので塗られていましたが、この5月に、大震災後の屋根と同じこの塗料で主屋の屋根が塗り替えられましたので紹介します。
▼屋根にコールタールを塗るために、先ずは塗装職人さんを支える親綱の取り付け
を宮大工さんが行いました。
▼棟に取り付けられた親綱のロープが垂らされました。
▼親綱のロープを頼りにコールタール塗装です。このような塗装の出来る職人さんも
居なくなってしまったそうです。
▼コールタール塗装されたトタン屋根です。長く持ちそうですね。
この波目のトタン板は主屋に隣接した離れの屋根を覆う現在のものです。
明治初期に輸入された主屋の屋根を覆っているトタン板はこの波目が倍の大きさです。
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